鏑木 繁(著)「相場難儀道」1P
『足るを知る者は富む』
言葉の内容からすると、現状の物質的なもの・精神的な(心理的な)もので、足りていると悟り、そういう状態で満ち足りていると思える人は、実は富んでいるのである。
人間とは、今以上にお金が欲しい、精神的にも満ち足りたいと、思いがちであります。
しかし、これは際限がなくて、いつまで経っても満足感が得られない。
ほどほどにして、足りていると悟ることができる人が、真に富んでいる人である。
これは、幸福感とも似ていて、回りから見て幸福だと思われる人が、案外と幸福感を得ていないのかもしれない。
日本という平和で裕福な国に生まれたというだけで、ラッキーなのに、幸福を感じるセンサーが磨かれていないことが多い。
ほどほどの現状に満足して、幸せをかみしめるという態度が大事なんじゃないでしょうか。
また、仏教の教えの一つである、「欲」をいかに抑えてコントロールしていくか、鉄壁の不動心を養うということが大事です。
また、むやみやたらと他人と比較しない。
他人の長所を見れば、羨ましく思い、他人の欠点をみれば軽蔑したくなりますが、他人は他人、自分は自分で、わが道を行く姿勢が大事なんじゃないでしょうか。
他人の貧富、他人の肩書、他人の外見の美醜、そんなものはどうでもよろしい。
まあ、物質を所有しているという所有欲による幸福感よりも、精神的に充足している、平和・安心・安全という環境、心おだやかに暮らしている、楽しく人生を送っている・・・
という方の幸福感の方が勝っていると私は思いますが。
今物質文明という点では、歴史上一番いい状態だと思われます。
戦後の食糧難の時代から比べたら雲泥の差です。
物は巷にありあふれ、飽食の時代だと言われています。
これも親の世代、高度成長時代の人々の懸命の努力によってもたらされたものであり、感謝の気持ちで一杯です。
また、戦後から71年間続いている平和な世の中にも、尊さとかありがたさをもっと肌身で感じる必要があります。
また、日本は安心・安全で住みやすいいい国であると評価する外国人が多いらしいです。
そういう意味では、今の日本は平和・安心・安全で物質的に恵まれていると言えます。
ただ、そういうのを感じて幸福だと思う人は少ない?か、または幸福だと感じない人も少なからずいると思われます。
つまり、現在の環境・境遇にもっと満足して、幸福感を味わいなさいということだと思います。
傲慢になるな、もっと謙虚になれということかもしれません。
政治が悪い、国の施策が悪い、世の中が悪いと愚痴を言うのではなくて、そう思う自分の方が悪いかもしれません。
環境が悪いのではなくて、自分の態度とか姿勢が悪い場合が往々にしてあるのです。
自助努力して、やり切ったという精神状態で、心おだやかに暮らしていけば、幸福度というか生活の満足度が上がると思います。
仏教の教えである、「欲」をいかにコントロールして抑制していくかということも大事だと思われます。
「欲」をかくと、もっともっとと際限がなく、いつまでたっても幸福感は得られません。
「足るを知るものは富む」というように、現状で足りている、これ以上欲しがりません、という気持ち・心がけが重要です。
0 件のコメント:
コメントを投稿